ポントルモ 「受胎告知」マリア  サンタ・フェリチタ聖堂 
カッポリーニ礼拝堂 1527年 フィレンツェ

FRESCO

 フレスコ画という技法は、3500年以上も前より発達し、ポンペイの壁画、アッシジのフランチェスカ聖堂など、そしてルネッサンス期に最盛期を迎えました。バチカン市国のシステイナ礼拝堂に描かれているミケランジェロの「最後の審判」などの壮大なフレスコ画に見られるように今もなお当時のままの鮮やかな色彩を残しています。
フレスコ(Fresco)という言葉はイタリア語で「新鮮な」と言う意味で英語のFreshにあたります。
石積みの建築内壁に塗る漆喰の壁。この仕上げの層に絵を描く技法です。大きな特徴は漆喰壁がまだ生乾きのうちに顔料を水だけで溶いて描くという技法です。油絵や日本画、アクリル画などほとんどの絵画はメディウム(油、膠、アクリル樹脂など)を顔料に混ぜたもので描く方法であり、顔料を接着剤でキャンバスや紙に定着させるものです。
フレスコ画はその材料である石灰モルタルが水、砂、消石灰からなりたっていて、その石灰モルタルの硬化作用により、描画層も定着し安定します。その時、石灰モルタルの石灰分(ガラス質)が表面から覆うように硬化していきます。したがって一旦塗ったその石灰モルタルが硬化しないうちに描画を完成しなければなりません。フレスコ画は石灰モルタルを画面に塗ってから約10時間あまりで仕上げなければならない、また大画面であると部分的に仕上げて大画面を完成させるという構成力も必要とされ、技術的に難しい技法です。
私が制作を続けているものはこのフレスコの技法を用いた立体やレリーフです。
また「磨き」という鏝や素手などで磨き光沢を出すという技法を使っています。これはフレスコにもありますが私の方法は日本の漆喰磨きに影響を受けたものです。
 私は東京芸大大学院の壁画研究室にて本格的にフレスコの制作を始めました。油絵科に入学しましたが油の質にどうしても馴染めず、水彩画ばかり描いていました。フレスコ画に移行したのもフレスコ画が水を媒体としていたことが大きな要因です。
制作していくにあたり大きな問題は重いということでした。壁面に直にモルタルを塗る場合は良いのですが、移動を考える場合パネル状にしなくてはなりません。このパネルはモルタル塗りの左官技術にも耐えうる堅牢なもの、また重量もなるべく軽量なものを考えなくてはなりません。また、作品の仕上げ以前に左官的問題(割れ、亀裂、剥離など)が無いように左官技術を磨かなくてはいけないことです。このような問題を解決しつつ制作を続けてきました。
制作活動は主に建築空間に作品設置する。その空間がどのようなものでどのような人々が集うかなど様々な要素を考慮して制作しています。

                              代表 冨永泰雄
 

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